ドル圧力は、とても便利な言葉です。だからこそ、私たちは少し警戒しています。
EURUSDが下がる。GBPUSDも弱い。AUDUSDも重い。ここまではドルの話に見えます。けれど、金はどうでしょうか。暗号資産はどうでしょうか。株価指数は同じ圧力を受け入れているのでしょうか。
広い圧力か、局所的な動きか
最初に分けたいのは、ドルの広い圧力なのか、ひとつの銘柄だけの事情なのかです。広い圧力なら、関連する複数の市場に痕跡が出ます。局所的な動きなら、周囲は意外と静かなままです。
物語を急がない
相場は、後から見るときれいな物語に見えます。でも、リアルタイムではもっと不揃いです。私たちは、その不揃いな状態を消さずに見たいと考えています。
ドル圧力と呼ぶ前に、あなたなら何を確認しますか。金ですか。円ですか。暗号資産ですか。それとも時間足の一致でしょうか。
ドルの話は便利すぎる
ドル圧力という言葉を使うと、多くの動きが一つにまとまったように見えます。けれど、実際には通貨ごとの事情、金利差、商品価格、リスク選好が混ざっています。便利な言葉ほど、私たちは少し疑って使います。
ドルが強いと言う前に、どの通貨に対して強いのかを見ます。金は反応しているのか。円は同じ方向を示しているのか。暗号資産はリスクの変化を示しているのか。そこまで見てから、ようやく広いドル圧力と言えるかもしれません。
無理に物語化しない
相場を物語にすると読みやすくなります。でも、読みやすさと正しさは同じではありません。私たちは、説明できないズレを無理に消さず、そのまま残す方を選びます。

